社会的なダイエットの意義
ジェンダーの呪縛
第2節で紹介した医療学的観点からの摂食障害は「自己愛的パーソナリティ」が摂食障害をもたらす大きな要因であることが主張されていた。それでは社会学者の見解についてみていきたい。
社会学的観点から摂食障害をみていく上で、浅野の主張を紹介したい。浅野はその著書『女はなぜやせようとするのか 摂食障害とジェンダー』の中で摂食障害者へインタビュー調査を行っている。それによると摂食障害に陥るのは女性が多く、それには「ジェンダー」が深く関わっているという。
一般的にジェンダーとは文化的・社会的にかたちづくられた性差・性別のことを指し、しばしば生物学的な性差・性別を指すセックスとは対称的に用いられる。
しかし浅野のいう「ジェンダー」とは、個人の意識のふるまいに影響を与えるだけではない。生物学的なものとみなされている身体まで、その時代にとって理想的な「女らしい身体」「男らしい身体」へと作り変えるほどの効力を持っているというのである。